ここでは税理士事務所で働く際に気をつけなければいけない事例をあげていきます
他の注意点
顧問先とのやり取り
- 会計職員として顧問先との関係は大事です
飲み会などに誘われた場合は積極的に参加していきたいものです
ただし一番トラブルが起きるのもこの顧問先とのやり取りです
顧問先とのトラブル
- 顧問先との問題はそれなりに起こります
一番多い問題は違法な相談事、二重帳簿や粉飾の相談です
これ実は結構あります
当り前の話になりますが、そのような相談をされたところで事務所が犯罪の片棒を担ぐわけにはいきません
出来ないものは出来ないとはっきりと伝えることが大事です
その結果として顧問先から顧問契約を打ち切ると言われてもそれは仕方がないでしょう
それと顧問先でのトラブルで一番困るのは決算に対し、申告書を作る際に不明点の解消のため顧問先と連絡をとらなければならない時に、顧問先がその不明点が分からないなどの理由で音信不通になることです
つまり逃げる(隠れる)わけです
電話をかけても電話に出ない、メールをしても返事が来ないという具合です
信じられないことですがそういった顧問先は現実にいます
そういう顧問先は自分たちで経理しているものの、めちゃくちゃで全く経理がデタラメな会社によく見られる傾向です
経営者の方で勘違いしている人がたまにいますが、我々会計事務所は飽くまで決算に際し、代理で申告書等を作っているに過ぎません
それは代理権限証書とやらに代理と書かれていることからも分かる通りです
本来は会社が自分たちで作成しなければならないことなのです
会計事務所や税理士法人は顧問料や決算料を頂いて申告書の作成を手伝っているに過ぎません
もしそういう顧問先がいるようなら上司と相談の上で顧問契約を打ち切るなりなんなりした方が言いでしょう
何かあれば事務所に責任が飛び火します
酷なようですが、あまりにも不義理なことをする顧問先とは縁を切る選択肢も視野に入れるのは当り前のことなのです
記録を取ること
- 何事にも記録を取ることは会計事務所の職員として最も基本的なことであり最も大切なことでもあります
記録は顧問先とのメールのやり取り、資料などをファイルに綴ることや他、郵便などの記録など多岐にわたります
これらの記録は仕事上万が一が起きたときに必ず役立つものです
必ず記録をとるようにしましょう
後これは余談ですが、もしも自分がブラックな会計事務所に務め所長が信じられるような人間ではないと感じたら所長とのやり取りを音声データなりなんなりとっておくことが必要です
ブラックな事務所の所長は平気で嘘をつきます
それは雇用契約においても同じです
自分の身を守るため記録はとっておきましょう
そして顧問契約を違反するようなことをしたらデータを持って労働基準監督署に持ち込むなりしましょう
資料に慣れること
ソフト等の取扱い
- この業界、今では会計ソフトや申告ソフトを使っています
そして当然それらのソフトは使えなければいけないわけです
会計ソフトでは弥生会計、ミロク、勘定奉行、申告ソフトでは達人、魔法陣などがあります
会計事務所に未経験で就職した者は簿記の資格などは所持しつつも、会計ソフトや申告ソフトの扱い方まで知っている人はあまりいません
つまり就職して初めて扱うという人がほとんどなわけです
ですがあまり心配する必要はありません
というのはソフトの扱いも慣れで済む話だからです
弥生会計やミロクといったソフトの違いも所詮誤差の範囲で、日本語で言えば標準語と関西弁の違いくらいなものです
確かに基本的なことは多少教わるにしても、毎日仕事で扱っていれば一か月もあれば十分人並みに扱えるようになります
パソコン自体の扱いももちろん早く打てることは良いことではありますが、ブラインドタッチまで出来る必要はありません
面接の際にやたらこの辺りを聞いてくる所長もいますが、慣れで済む話にそこまで拘るのは如何なものかと個人的には思います
単なる最初にいろいろと教えるのがめんどくさいと思っているだけです
ほか電卓、ワード、エクセルの取り扱いについて
- 電卓の扱いに関してですが、これは早さが求められます
会計業務では手作業で検算しなければならないことも多いです
例えば現金出納帳などです
顧問先などが現金出納帳を作っている場合などは合計額が正しいかどうか電卓を叩いて確認する必要があるからです
結果電卓の扱いはスピードと正確さが求められます
金額の集計は実際かなりの量があることが多くパチンパチンとゆっくりと叩いているようでは仕事にならないからです
ただ簿記資格を取得している人はその辺りは大丈夫でしょう
電卓の扱いは手馴れたものだと思います
次はワードですが、実際に実務でワードを使う場面はせいぜい顧問先に何かを送る際に送付状などを作る時ぐらいです
この送付状は大体どこの事務所でも雛形がありますので、そこまで苦労することはないと思われます
最後にエクセルです
当然ですがエクセルは非常に使う頻度が多いと思います
といっても基本的なことさえしっかりと分かっていればそれほど苦労しません
これも実質慣れの問題ですが、簡単な関数や使い方などはネットで調べるのもいいかもしれません
関数など機能を全部覚える必要はありませんが、便利な機能は知っておいて損はありません
チェックを万全に
- 当然ですが普段の月次作業から申告書作成までチェックは万全にするべきです
ただこういったチェック作業は一人では気が付かないことも多く、複数で行う方がよろしいでしょう
申告書というものは本当に細かいものです
普段の月次作業においても金額の桁など間違えることはどんなベテランでもあることです
100,000と1,000,000、他にも577を557と間違えるなどです
事務所としてチェック体制を万全にしておく必要があります
チェックは金額以外にも目を向けよう
- 申告書などを作る際にはどうしても金額などの数字に目を奪われがちです
しかし、申告書は金額だけではなく、法人税申告書の別表2を見ればわかる通り株主などの名前や住所など、他にも金額以外にチェックすべき事項はかなりあるのです
例えば内訳書の売掛金や買掛金などの相手方の名称や住所、年末調整や個人の確定申告などの名前や住所等などです
特に個人の名前は紛らわしい漢字は非常に多く特に注意が必要です
そういったことにも目を配り申告書などを作成する必要があるのです
スケジュールの管理
- 当然ですがスケジュールの管理は大事です
スケジュール表は作っておきましょう
顧問先に伺う日などはしっかりとスケジュール表に記入し忘れないようにしましょう
特に確定申告シーズンなど忙しい時期はスケジュールもタイトになりがちです
体調に気を付けながらスケジュール通りに事を進める必要があります
ただもちろん物事にはトラブルは付き物でスケジュール通りに事が進まない場合もあるでしょう
しかし終わりよければすべて良し
どんなトラブルに見舞われても最終的に上手く収まればそれでいいのです
わからないことがあったなら
- 会計事務所の職員、または税理士資格を持つ者であっても税務に関し全てを知っている者は皆無だと思われます
ですのでこの仕事に就く者は日々勉強を続けていく必要があるのです
それでも仕事上わからないことは当然出てきます
その対処方法として
- ネットや本などで調べる
- 周りに聞く
- 税務署に問い合わせる
他の注意点
- 会計事務所職員としてあと気を付けなければならないのは「コミュニケーション能力」と「みだしなみ」といったところでしょう
この業界、人と話すのが苦手では無理です
顧問先などに伺えばいやでも人と接する訳ですし例え電話などでも同じことです
ただこれに関しても慣れの問題だと思います
人と接する機会の多い仕事に就けばいやでもコミュニケーション能力はつきます
私自身もともと人見知りする性格でしたが、やはりこの業界に入ってその性格は直りましたから
つまりこの業界ではコミュニケーション能力、いいかえれば社交性が大事だということです
もう一つは「みだしなみ」です
この業界、男でスーツは当り前ですし、女性であっても服装にはそれ相応に気をつかいましょう
人と接する機会の多い仕事ですのでこの辺りは当然のことと思ってください
ただ先にも書いた通り男でスーツ着用は当り前ですが、ネクタイまで締めるかどうかは実は会計事務所によって差があります
それでもネクタイを締める機会は出てくるとは思うのでいつでも締めれるようにネクタイは所持しておきましょう
つまりはっきり言いますとビジネスマンとして職員にはカッコよさが求められるのです