ここでは受験する税理士科目を紹介していきます
税理士の試験科目
税理士は科目合格でなる人のほかに国税局OB、つまり税務署などの官公庁の税務組織で23年以上勤務していた方がいますが、ここでは科目合格を前提として話を進めていきたいと思います
税理士になるには5科目の合格が必要
- まず税理士になるための受験科目を見てみましょう
- 簿記論
- 財務諸表論
- 消費税法
- 酒税法
- 法人税法
- 所得税法
- 相続税法
- 固定資産税
- 国税徴収法
- 住民税
- 事業税
なんと11科目もあります
しかし、その全てに合格する必要はありません
この中の5科目に合格すればいいんです
まず簿記論と財務諸表論は会計学に関する科目で必須の科目です
税理士になるためには必ず取得しなければいけません
残りは全て税法科目でこの中から3科目合格しなければなりません
しかしここにも制約があり、所得税と法人税のどちらか一つは必ず合格しなければなりません
この中で比較的簿記論と財務諸表論は合格しやすいですが、税法になるとそう簡単には受からなくなります
実際ここで90%の人が挫折するとまで言われています
ただ税理士試験は確かに難易度の高い試験ではありますが、一度取得した受験科目は生涯有効となります
例えば公認会計士試験などは短答式試験に1度合格するとその後3年間、論文式試験を受験することができますが、論文式試験を3回不合格になると短答式試験からまたやり直しになります
しかし税理士試験にはそういった規定はなく、一度合格したが他の科目に何回も落ちたからといって、合格した科目が取り消されるということはありません
ですので長期の受験勉強ができるので社会人でも合格できる可能性があるのです
しかしそれでも合格するためには各科目10%という壁を乗り越えなければなりません
つまり10人に1人しか受かりません
いずれにしても難易度Aの難関資格であることには違いありません
独学が可能か?
- 税理士試験に合格するために独学が可能か否かですが、もちろん不可能ではないですが難しいと言わざるを得ません
ただし、簿記論と財務諸表論の2つは独学が可能と思われます
しかし税法科目での合格はかなり難しいでしょう
もちろんそれには理由があります
市販されている教材が少ない
- これに尽きると思います
簿記論と財務諸表論は比較的教材が揃っています
日商簿記の教材も豊富に出てますし、教材に不足することはまずないでしょう
しかし税法科目となればそうはいきません
市販されている教材はかなり少なくなります
特に、理論試験に対する対策はせいぜい理論の暗記テキストぐらいしか市販教材はありません
税法試験は理論問題が出題し、その理論を応用した時事問題もよく出題されるため、理論の暗記テキストだけでは歯がたちません
しかも時事問題では文章を使って説明する能力も必要であるため、文章の作成能力も必要です
そのような理論対策に向けての教材はほとんど市場に出回ってはおりません
これが税理士試験は独学での合格は難しいと言われている理由だと私は思っています
税理士試験を受験するには受験資格が必要
- 実は税理士試験は受験したい者が誰でも受けられる資格ではありません
受験するためには受験資格が必要です
大まかに分けると次の3つのうちどれか一つが必要ということになります
- 学歴
- 職歴
- 資格
- 学歴は大学や専門学校などで法律学や経済学などを履修した者が該当し、職歴は例えば会計に関する補助事務に2年以上従事した者、資格は日商簿記1級取得者といった具合です
実は細かく分ければまだまだあるのですが、大まかに分けるとこれらの通りです
詳しい受験資格については国税庁のHPに記載されておりますのでそのリンク先を貼っておきます -
税理士試験受験資格の概要
税理士資格への登竜門 簿記資格
- まず税理士試験を受けようとしていきなりその科目の勉強しても全く意味が分からないかもしれません
実際、税理士試験を受ける者たちは先に簿記試験を受ける者たちがほとんどです
これが税理士試験の基礎と呼べるかもしれません
ここではその簿記試験について説明していきたいと思います
ちなみに簿記試験には日商簿記検定をはじめとして他複数ありますが、ここでは日商簿記検定を前提として話を進めていきたいと思います
日商簿記3級
- 簿記の勉強をする方はまずはここから入る方がほとんでどでしょう
簿記の初級なるものもあるそうですが、実際勉強する方は3級から入る人がほとんどだと思います
簿記3級では大体仕訳の方法など基本的な事を勉強します
内容的にはそれほど難しいわけではなく、独学でも1月から2か月で合格基準まで達することはできるでしょう
日商簿記2級
- 日商簿記2級の特徴としては工業簿記が新しく入ることです
難易度的にも勉強期間は6か月くらいかかるでしょう
税理士試験の受験資格をすでに有している方は、この簿記2級を取得した後、税理士試験の勉強を始める方が多いようです
実務的にも簿記の資格は2級があれば十分だと思われます
日商簿記1級
- 日商簿記1級は2級までとは難易度が格段に違います
ですが、先にも書いたように市販されている教材がたくさんあるため独学での合格も可能であるとは思います(実際私は独学で取得しました)
税理士試験においても、学歴、職歴において受験資格を満たすことができなかった場合には1級の取得は必須となります
いずれにしてもこれを取得すれば簿記のエキスパートと言っても過言ではないでしょう
簿記論及び財務諸表論
同時に勉強した方が得
- 税理士試験において簿記論と財務諸表論は別の科目となっておりますが、同時に勉強した方が捗るし理解も進むと思われます
何故かと言えば期中の取引を帳簿に記載する仕訳を学習するのが簿記論であり、その結果として決算において作成される損益計算書や貸借対照表を学習するのが財務諸表論だからです
いわばこの二つはセットであり、実際日商簿記検定においては簿記と財務諸表論はセットで問題として出てきます
ちなみに難易度的には簿記2級以上、簿記1級未満といったところでしょうか
ただし、試験のスタイルは簿記試験とはまた別物です
簿記試験のつもりで来るとそこで苦労するかもしれませんが、この2科目は税理士試験の中でも必須の科目であると同時に比較的取りやすい科目でもあります
消費税法
- 消費税はおそらく一般人にとって一番なじみのある税金であると同時に、一番目の敵にされる税金だと思います(笑)
一般消費者が物を買うたびに、一部の物を除いて必ず支払われる税金であり、それゆえ一般人にとってなじみが深く、そして税率も今や二ケタの10%になろうとしています
消費税とは一般的に人が財貨やサービスを利用することを消費と呼び、消費するお金の一部を税金として負担してもらうことを目的としている税金です
今の受験者は税法でこの消費税を外す人はほぼいないと思います
それほど実務に大きくかかわる税金です
税法の中では比較的ボリュームが少ないので、簿記論と財務諸表論を合格した者が税法のとっかかりとしてまず消費税を学習する方が多いようです
酒税法
- 酒税法は、酒税の賦課徴収
製造者は、その製造場から移出した酒類の数量に応じ、また保税地域(輸入した外国貨物を課税保留する所)からの酒類の取引者は、その引き取る酒類の量に応じ、酒税を納めなければならないとされている
あまり税理士試験でこの科目を受験する人を見かけないんですが、れっきとした税理士試験の受験科目であります
酒税法の出題ポイント
法人税法
- 法人税法を受ける受験者の方はものすごく多いんじゃないでしょうか
それほど実務において欠かせない税法であると同時に税法の中でもかなりボリュームのある科目となります
なお税理士受験者はこの法人税法と所得税法は選択科目でどちらかは必ず受けて合格する必要があります
もちろん両方とも受験することも可能です
先も書きましたが税法の中では難関科目です
しっかりと勉強しておきましょう
所得税法
相続税法
- 相続税法は実務重視で受験科目を決める場合は何よりも受けておいた方がいい科目です
それほど実務において武器となる科目となります
多くの税理士さんがこう答えるのですが、相続税法は非常に奥が深く、とてもやりがいのある仕事だと答えます
それゆえ実務重視で受験科目を選ぶ場合は先も書きましたがこの相続税法は必ず受けておいた方がいい科目となります
ただし、ボリュームもそれなりにあるので、何よりも税理士資格を得ることを目標にしている人は相続税を避ける人も大勢います
ここは自分の気持ち一つですが、実務を重視して相続税を受験するのもいかがでしょうか